ピコピカシリーズの特徴

水力発電は、クリーンで持続可能なエネルギー源として注目されています。しかし、従来の水力発電装置には「設置条件が厳しい」「高コスト」「施工の手間がかかる」といった課題があり、活用できる場所が限られていました。

そこで登場したのが、螺旋式ピコ水力発電装置「ピコピカシリーズ」です。ピコピカシリーズは、従来の課題を解決し、未利用の水力エネルギーを最大限に活用するために開発されました。今回は、従来の水力発電装置と比較しながら、設置条件を基にピコピカシリーズの特徴をご紹介します。

水路には、水力発電装置を設置する際に必要な設置条件が存在します。これらの条件の主な要素は「流量」と「有効落差」です。
(※水力発電の発電量はこれら2つの条件で決まります。詳しくは「水力発電の発電量は2つの条件で決まる!」をご参照ください。)

1本の水路でも、場所ごとに傾きが異なるため、有効落差が変化します。この違いが設置条件に影響を与えます。

目次

従来の水力発電装置の課題

水力発電は、クリーンで持続可能なエネルギー供給方法として注目されていますが、従来の水力発電装置にはいくつかの課題がありました。ここでは、その主な課題をご紹介します。

1. オーダーメイド設計が主流で高コスト

従来の水力発電装置は、設置場所の条件に応じてオーダーメイドで製造されることが一般的でした。
これにより、以下のような問題が生じていました。

  • 設計や製造に多くの時間とコストが必要。
  • 専門的な技術が不可欠で、導入までのハードルが高い。

大規模な発電施設に適した設計が求められていたため、初期投資が非常に高額になることが多かったのです。

2. 厳しい設置条件

水力発電装置は効率的に発電するため、特定の条件を満たす場所にしか設置できないという制約がありました。

  • 流量:安定して十分な水量が流れる場所が必要。
  • 有効落差:設置場所の地形や水路の傾斜が適している必要がある。

これらの条件を満たさない場合、地形の改造や水路の整備が必要となり、さらにコストや工数がかかるという課題がありました。

3. 設置・運用コストの高さ

従来型の装置では、大規模な工事や特殊な部品が必要なため、以下のようなコストが発生しました:

  • 初期費用が高額で、中小規模の事業者にとって導入が難しい。
  • メンテナンスにも高度な技術や設備が必要で、ランニングコストがかさむ。

結果として、地方や小規模エネルギー資源を活用するケースでは不向きなことが多かったのです。

4. 小規模用途への適用が困難

従来の水力発電装置は、大規模なエネルギー供給を目的として設計されていたため、地域の小規模なエネルギー資源を十分に活用するのは難しい状況でした。
その結果、利用可能な小規模な水力エネルギーが眠ったまま放置されるケースが多くありました。

これからの水力発電に求められるもの

日本には、小規模な水路や農業用水路など、未利用の水力エネルギーが多く存在しています。しかし、従来の水力発電装置では、設置条件やコスト等がこれらのエネルギーを活用することの課題になっていました。
ピコピカシリーズは、最低限の流量があれば発電可能な設計のため、設置可能拠点数がとても多く、こうした未利用資源を活かすことができます。

ピコピカシリーズの特長

日本には未利用の水力エネルギーが多く眠っています。その可能性を引き出し、地域でのエネルギー活用を推進するのが、小型水力発電装置「ピコピカシリーズ」です。ここでは、ピコピカシリーズの特徴をご紹介します。

1. 最低限の流量で発電が可能



ピコピカシリーズは、最低限の流量さえ確保できれば発電が可能です。従来の水力発電装置が「流量」と「落差」という2つの設置条件を満たす必要があったのに対し、ピコピカシリーズは流量さえ確保すれば発電できる設計となっています。この特徴により、設置可能な拠点が大幅に増加しました。


2. 定格発電量の固定で設置が簡単

ピコピカシリーズでは、定格発電量を固定しています。この設計により、必要な設置条件(流量や落差)が明確化され、お客様が適切な場所を選びやすくなっています。
また、オーダーメイドではなく量産体制を整えて販売されているため、導入コストも抑えられます。


3. 有効落差をピコピカ本体で確保

ピコピカシリーズは、水路に設置することで水を堰き止め、ダムのように水位を上昇させます。これにより、本体自身で必要な「有効落差」を確保することが可能です。
その結果、設置に必要な条件が「流量」のみとなり、設置にかかる工数を大幅に削減できます。


4. 環境に優しいエネルギーの実現

ピコピカシリーズは、小型でシンプルな設計ながら効率よく発電できるため、未利用の水力エネルギーを活用するのに最適です。地域で得られるエネルギーをその場で消費する「地産地消」を実現し、環境負荷の低減にも貢献します。


5. 幅広いラインナップで選択肢を提供

ピコピカシリーズは、用途や設置場所に応じて選べる3種類のモデルを用意しています:

  • ピコピカ10:防犯灯や獣害対策の電気牧柵等、小規模な発電に最適。
  • ピコピカ100:バッテリーに蓄電することで実用的なエネルギー需要をカバー。
  • ピコピカ500:日本の一般的な家庭の電気を確保。より大きな発電量が必要な場合に対応。

展示会などでは実物の展示も行っており、実際のサイズ感や仕組みを確認いただけます。

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